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タイトルバック 浅見光彦といえば…、やっぱり水谷豊? タイトルバック
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タイトルバック 「浅見光彦ミステリー」 タイトルバック
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タイトルバック 2011.09.04 タイトルバック
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 金田一耕助と並び、今では抜群の知名度と人気を誇る平成の名探偵といえば、浅見光彦。1982年に内田康夫が「後鳥羽伝説殺人事件」で初めて登場させて以来、今現在も登場作品が執筆され続けている本当に息の長いキャラクター。この永遠の33歳の素人探偵が本当に広く一般に浸透したのは、原作同様いまだに作り続けられるTVドラマが最大の要因だと思います。ということで今回はそんな浅見光彦のTVドラマについてちょっと書きたいと思います。

 自分が浅見光彦というキャラクターを知ったのは、火曜サスペンス劇場の「浅見光彦ミステリー」でした。火サスを見る習慣はなかったので、多分たまたま母親が見ていたものを見たのでしょう。水谷豊演じるエリート一家の中のおちこぼれ居候探偵が警察の解けない事件を解いていく物語にいつの間にかハマってしまい、この浅見光彦の回だけはチャンネルを合わせるようになり、その影響で原作本もすこしづつ読むようになっていきました。

 そのため、浅見光彦といえば今でも水谷豊の印象が強いです。原作を読むようになって実は原作で描かれている浅見は背が高く相当に二枚目で、ドラマのイメージとは結構離れていることが分かったのですが、だからといって水谷版浅見光彦を否定しようとも敬遠しようとも思うことなど全く無く、自分の中では違和感なく二つのパターンの浅見光彦が共存していたと思います。そんなこの火サス版浅見シリーズ=浅見光彦ミステリーの面白さは、レギュラーである浅見一家の面々のキャラクターが立っていて飽きないところ。例えば乙羽信子演じる母親の雪江の可愛らしさ。光彦にとっては恐怖の存在みたいですが、終始母親の暖かさがにじみ出ていて、安心感がありました。雪江が光彦を叱るときのやり取り、「こらっ!光彦!」「すいません。お母さん」など見ていてとても和みました。そして、なにより高橋悦史が演じた兄の浅見陽一郎がとても気にいっていました。背が高く、整った容姿ながら険しく鋭い彼の風貌は、警察庁刑事局長という国の要職を預かるものの厳しさと逞しさ、警察官としての真摯さ、そして早死にした父親の代わりに一家を支え、弟の光彦を大学に進学させたという責任感の強さを有無を言わさず信じさせてしまうもので、しかしそんな陽一郎が、事件に首を突っ込み問題をおこす光彦に対して、相変わらずの厳しい表情ながら口元にわずかに笑みをたたえ、少しだけ目じりを下げて「みつひこ〜」といたずらっぽく注意するシーンなど、弟への愛しさが隠しきれないというような感じが本当に大好きだったのを覚えています。この後、西岡徳馬や村井国夫、風間杜夫など様々な俳優が陽一郎を演じていきますが、この高橋悦史が演じた陽一郎は自分の中ではダントツのNo.1でした。

 他にもこのドラマシリーズの目玉のひとつで浅見光彦の物語の定番シーンだったのが、光彦の正体が分かるシーン。大抵容疑者として不当な扱いを受けている光彦が警察の身元照会に焦って抵抗し、その挙動不信さにますます疑惑を強めて自宅に電話したら兄が警察庁刑事局長であることが分かって、逆に刑事のほうが焦りまくりの右往左往という感じの場面。もちろん原作にもあるのですが、ドラマの方がよりマンガチックになっていて、また、高圧的な警察に対して溜飲を下げることができる爽快な場面でした。あと、このときの刑事の反応によって、見ている方のその刑事への好感度、信用度が変化していたと思います。

 ちなみにもうひとつ、物語に全く関係ないのですが、全8作品あったそのほとんどにレギュラーである浅見一家以外に出ていた俳優が一人いて、それが片桐竜次でした。当時この俳優の名前を知らなかった自分は、何回目かに「あれ?この俳優がまたで出てる」と気づいて、いつの頃からは彼の姿を画面の中に捜すようになりました。刑事役だったり、釣具屋だったり、古本屋だったりと毎回役を変え出ていましたが、それが何かダーティハリーシリーズのアルバート・ポップウェルみたいに思えて…。いまでも「相棒」の内村部長役で出ている彼と水谷豊との掛け合いが楽しいです。

 こうしてみるとこのシリーズはやはりミステリー的、推理的な物語性よりも馴染みのキャラクターによるドラマの方に楽しさを感じていたのでしょう。この後のシリーズも、浅見光彦を誰が演じるかということはもちろん、では雪江は? では陽一郎は? 須美ちゃんは出てくる? などレギュラーメンバーの配役が一番の興味の対象だったような気がしました。

 このシリーズで当時気になったことをひとつ。火曜サスペンス劇場枠で放送されたのは8作目の「琵琶湖殺人周航歌」が最後ですが、当時も人気シリーズだったはずなのに終わってしまうことが不思議でした。ただこの直後に角川映画「天河伝説殺人事件」の制作が決定したため、もしかするとシリーズとして制作しようとした角川映画が権利一式持っていったのかなと友達と話していたことを思い出します。実際はどうだか知りませんが、角川では結局シリーズ化出来なかったため、もう見れ無くなったじゃないかと勝手に腹を立てていました。その後、火サス枠では「朝比奈周平ミステリー」というシリーズが始まりました。キャストや人物配置など浅見光彦ミステリーをそのままにしたような内容でしたが、バッタ物のイメージが拭えず、高橋悦史も出ていなかったためほとんど見ないまま終わっています。

 浅見光彦は映画の後、しばらくTV画面で見なくなりますが、数年後に復活しました。TBSとフジテレビでそれぞれ浅見役に辰巳琢郎、榎木孝明を立て、競作のような形で放送していきました。それが今の沢村一輝、中村俊介へと繋がっていきます。復活した当時は嬉しかったのですが、まず先に放送されたTBS版の辰巳琢郎には若干違和感がありました。多分坊っちゃん的なイメージで選んだのかも知れませんが、彼には落ちこぼれで肩身の狭い居候というイメージを感じませんでした。いくらそういう演技をしても全身からなにか自信のようなものが見えてしまうのです。「くいしん坊!万歳」のリポーターでしたからスマートというのとも違うように思えましたし。勝手ではあるけれど水谷豊のときとは違い、ここからは原作ありきでの視点になっていたんだと思います。(でも初めてお手伝いの須美子が出てきたのは良かったです。もう少し美人ならもっと良かったです。)

 対して、映画から引き続き浅見を演じることになったフジ版の榎木孝明は結構好きでした。でもこれはもともと榎木が好きな俳優だったからで、イメージがどうとかではなかったと思います。(本当に勝手ですいません)確か中学生の時たまたま見はじめたNHK朝の連続テレビ小説「ロマンス」(84年)が好きになって、そのときの主演が榎木孝明でした。その後あまり見なくなったのですが、しばらくしていきなり角川映画の大作「天と地と」で上杉謙信役に抜擢されていました。元々決まっていた渡辺謙が白血病で倒れたための緊急の代役とはいえ、自分としては嬉しかった。ちょっと選び方がぞんざいだった気もしましたが…。当時オーディション風景を特番で見たのですが、オーディションにきていた俳優達にしていたプロデューサーだか監督の「君、馬乗れる?」という、超大作の主役選びにしてはあんまりな選考基準の質問に”ああー、本当に切迫しているのだなぁ”と思ったものです。そういえば「ロマンス」で榎木孝明のライバル役だったのが確か辰巳琢郎。何か因縁めいたものを感じて、そういう意味では本当に楽しんでいました。

 その後、浅見役を受け継いだ沢村一輝と中村俊介のシリーズは正直たまに見るくらいで昔ほど熱心ではないので何ともいえませんが、イメージ的には二人とも原作に近く安心して見れるようないい感じだと思っています。そんないくつもあるドラマですが、シリーズ物ではない単発の作品で浅見光彦が一番最初にドラマ化されたのが「後鳥羽伝説殺人事件」でした。このときの浅見役は国広富之。自分は再放送を見たクチですが、このドラマが特徴的だったのは、浅見光彦に警察庁刑事局長の弟という設定がなく、ただの被害者の遺族として捜査協力するというストーリーだったこと。原作が出てすぐのドラマ化で、その後のシリーズ化も分かりませんし、いきなりそんな重い設定は邪魔だったのでしょうが、今思うとありえない感じで希少価値を感じてしまいます。

 最後に原作についていくつか。ここ最近はあまり読んでいませんが、それでも数十冊は読んでいるなかで自分の好きな作品はやはり初期のものが多くて、例えば主人公は野上という刑事だったはずなのに、途中で華麗な身分とともに登場した浅見光彦が事件を解決してしまうという意外さが面白い「後鳥羽伝説殺人事件」とか、初めて浅見が主人公に昇格した2作目、ヒロインの美しさが印象的な「平家伝説殺人事件」。前回書いた「天河伝説殺人事件」や意外なオチだった「隠岐伝説殺人事件」等など。でも旅情ミステリーと銘打たれているだけあって、このシリーズの魅力のひとつに全国の様々な地域、地方が舞台になっているというところがあります。そうなると地元などが舞台になっている作品に対しては特に思い入れも強くなるものです。そういうところからも好きなものを選ぶと、例えば昔住んでいたことがある横浜が舞台の「横浜殺人事件」。自分も見に行ったことがある山下公園の赤い靴の少女像の「赤い靴」という童謡と「青い目をした人形」という同じ野口雨情が作詞した曲の相関関係から事件が起こり広がっていくという不思議さが好きでした。他にも地元北海道が舞台の「小樽殺人事件」や「化生の海」。「小樽殺人事件」は小樽の旧家の中で起こる殺人事件の話ですが、好きな小樽の街をしっかりイメージしながら読むことができましたし、アイテムとしての黒アゲハ蝶も象徴的ながら、犯人の動機や想いが語られる郷愁と哀愁に満ちた謎解きは大好きでした。また「化生の海」は事件の発端が父親の地元である余市町で、ヒロインはニッカウヰスキー工場の女性職員。物語はその後海を渡り東北へと続いていって余市の場面は少ないのですが、このヒロインの父親の過去を遡っていく展開と、最後に解ける彼女の意外な出生の秘密が印象的でした。

  

 名探偵ものとして金田一耕助と浅見光彦についてここ何回か書きましたが、自分が印象に残っているメジャーな名探偵の映画をもうひとつくらいと思いましたので、次回は名探偵エルキュール・ポアロが活躍する映画「オリエント急行殺人事件」(74年/イギリス)について書きたいと思います。

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