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 小柄な体によれよれのレインコート、櫛を入れないぼさぼさの髪、安い葉巻をくわえたキャラクターがあまりに有名なロサンゼルス警察殺人課のコロンボ警部。知らない人は、まあ、いるでしょうが、いまだにキャラクターとしての知名度は抜群で、ドラマを見たことがない人でも名前だけは知っているという人もいるでしょう。そんなこのコロンボ警部は、自分が子供の頃からすでにこのキャラクターとしてパロディが横行するまでに知れ渡っていて、自分もドラマを見るより先にそのキャラクターを覚えたクチでした。今回はそんな往年の大人気TVドラマ「刑事コロンボ」について少し書きたいと思います。

 ピーター・フォークの当たり役として世界中で愛されたこのキャラクターは1968年の「殺人処方箋」で初めてTVに登場しました。2本のパイロット版を経て、レギュラードラマ化した「刑事コロンボ」シリーズですが、自分がどの話を見たことがあるのか、正直全く覚えていません。自分の記憶では、多分「金曜ロードショー」枠等で不定期に放送されていたものを主に見ていたと思うのですが(もしくは再放送)、記憶力のない自分がサブタイトルなど覚えているわけもなく、ただ、番組が始まる時のコロンボのテーマ曲がBGMでかかるときのわくわく感だけはしっかり覚えています。

 そんな「刑事コロンボ」の主役であるコロンボ警部ですが、先にかいた特徴ある容姿とは別に、「うちのカミさんがね〜」という口癖があまりに有名です。愛妻家だけど妻に頭が上がらない世にたくさんいるダメ夫の一人に過ぎないというようなイメージで相手を油断させ、犯人をのせて情報を引き出すための呼び水として自分のプライベートを引き合いに出すときのワンフレーズ。正直、本当のことなのか嘘なのか分からないのですが、一見頼りなげなこの刑事からクチをつくこの愚痴っぽい世間話で安心するのか、犯人はいつも余計なことを喋ってしまうのです。このフレーズ、原語ではただの「My Wife」で素直に訳せば「私の妻が」くらいなのですが、それを額田やえ子さんという有名な日本語版台本作家の方がこのフレーズにしたのだそうです。でも40年たった今でも色あせないなんて、このセンスは本当に素晴らしいです。他にも、帰りがけに手のひらを額に当てて「すいません、あとひとつだけ…」と更に居座って容疑者を辟易させるのもコロンボならではのフレーズで大好きでした。

 これだけキャラクターが立っているドラマですから、それだけで後世に残るドラマとなるのでしょうが、この「刑事コロンボ」が凄いのは、ドラマの構造というか構成においてもそれまでにはあまり無かったドラマの形を生み出し、これまたひとつのスタンダードにしてしまったことです。

 コロンボのドラマ展開の特徴は、まず最初に犯人が登場し、トリックを駆使して殺人を犯す。そして犯行を隠すための隠ぺい工作を行い日常に戻る。本来、推理物ではクライマックスに明らかになるはずの謎解き部分をはじめに見せ、その後登場したコロンボが犯人の偽装工作をひとつひとつ暴いて最終的に犯人から自供を引き出す。というものでした。視聴者は犯人を最初に教えられているわけで、誰が犯人かという犯人探しの要素は全くありませんが、主人公のコロンボが犯人をどうやって追い詰めていくか、犯人の挙動や言葉のどこに犯行を滲ませた部分があるのかを捜すという面白さは秀抜でした。本来、このドラマ展開は制約も多く、犯人も近くにいなければならないというマイナス要因もあるのですが、そんなことを感じさせないほどストーリーも面白く、それを支えるディテールの細かさも素晴らしかった。TVを観ていても犯人の言葉に聞き耳をたて、なにか証拠を残していないか一生懸命画面を注視してしまっていたことを覚えています。たまに、犯人が明らかにミスをしたようなシーンがあると、見つけたことに嬉しくなるのですが、このドラマの脚本は本当によく出来ていて、自分ごときが見つけるミスなどは犯人が犯すわけも無く、劇中すぐに犯人がフォローしたりしていました。自分が知る限り、コロンボのドラマ展開はほぼこの流れで定番となっていましたし、その後、単話は別にしてこのドラマ構成を定番としたTVドラマはほとんど無く、あったとしても「古畑任三郎」のように「刑事コロンボ」の亜流作品としてしか存在出来ないほど、これは「刑事コロンボ」オリジナルでした。(もちろん古畑任三郎も自分は大好きでしたが)

 また、ドラマの他の特徴として、犯人像がありました。コロンボの犯人は大体上流階級で知識人が多く、職業も特殊な人たちが多かったと思います。精神科医に弁護士、作家、建築家に女優等々、一般の会社の営業マンや事務員など見たことがありません。そういう部分はあまり身近にいない職業の裏側を知ったりする面白さがありましたし、そんな彼らが更なる成功や金儲けや保身などで犯行を行うようなところは、あまり同情出来ない分、傍からみたらいやらしくてちょっと近づきたくないこのコロンボという人物でありながら一緒に相手のアラ捜しをしながら応援できたのだと思います。そういえばコロンボはいつも低姿勢で口調は基本丁寧語なのですが、部下とか食堂の店員とか一般の人にはほとんど丁寧語は使わず、かなり上から目線で喋っていた記憶もあります。社会的地位がある人だから丁寧語だったのだと思うと、コロンボは愛嬌はあってもあまり人格者とはいえず、相当に俗っぽいやはり付き合いづらい人間だったのかもしれません。(まあ、相手を油断させるテクニックのひとつだっただけかもしれませんが)

 そんなこのドラマのシリーズ第1話である「構想の死角」は、大ヒットメーカーのスティーブン・スピルバーグがかつて監督をした作品ということでも有名でした。TVで放映される機会があってもどの話が放送されるか分からなかった昔、このスピルバーグ監督作品を見たいと思い、まだ初期のレンタルビデオ店に捜しに行くことがありました。今ならDVDがありますが、当時コロンボを置いている店は少なく、見つけた1軒でも置いていたのは2本くらいだったのですが(というかそれしか発売していなかったのかもしれませんが)、運良くその2本の中の1本に「構想の死角」が収録されていました。しかしながらいつも手にとりながら結局そのビデオを借りることはありませんでした。というのもそのビデオの仕様がオリジナル音声で字幕だったからです。コロンボの声が吹き替え以外想像できなかった自分にとって、ピーター・フォークの地声で話すコロンボが許せなかったのです。

 刷り込みとは恐ろしいもので、それくらいコロンボ警部の声は小池朝雄と同義でした。ドラマではこの声しか聞いたことがなかったので当然かもしれませんが、何かの時に聞いたピーター・フォークの本当の声に「えっ?」と思うほど感じた違和感が強く残っていたのだと思います。小池朝雄の訃報を聞いたときも、悲しみ以上に頭に浮かんだ思いは”コロンボの声はどうなるの?”という不埒なもの。でも、その後を引き継いだ石田太郎ははっきりいって完璧でした。今、もし二人の吹き替えをシャッフルしてみせられたら分からないんじゃないかと思えるほどにそっくり。結局、小池朝雄が担当していたジーン・ハックマンなんかもそのまま石田太郎にシフトされていましたが、全く心配せず見ていた記憶があります。

 最近、初期の作品を何本か見る機会がありました。自分の持つ定番のイメージとどんなところが違うのかが興味の対照でしたが、見てみて正直驚きました。というのも、長く続いたドラマによくある初期の迷走さがほとんど感じられなかったからです。キャラクターや物語の構成はもちろん、脚本もよく考えられていて素晴らしく、このドラマが最初からほぼ完成形だったことを改めて知りました。ただ、台詞のいくつかが「うちのカミさんが…」ではなく「うちの女房が…」となっていたのが貴重に思え、ちょっとだけ嬉しかったです。

 

 刑事コロンボの飄々とした刑事像は演じるピーター・フォークによるところが大きいとおもいますが、そんな刑事を観ると個人的にふと思い出してしまう刑事がいます。それがウォルター・マッソー演じるガーバー警部補。というわけで次回はそのガーバー警部補が主人公のサスペンス映画「サブウェイ・パニック」(74年/アメリカ)について書きたいと思います。

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