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タイトルバック アメリカの核の歴史の暗部を描くエミー賞受賞作 タイトルバック
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タイトルバック 「ナイトブレーカー」 タイトルバック
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タイトルバック 2011.03.15 タイトルバック
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 1945年にアメリカが原爆を開発したその4年後にソ連も初めて原爆の実験に成功し、多くの人間が懸念した軍拡競争への道が開かれます。アメリカはより破壊力のある原爆の開発を推し進め、恒常的に原爆の実験を行うようにっていきます。その実験はアメリカの国力を示すためのデモンストレーションとなる一方で、人体への放射線の影響を試すテストの機会ともなっていくのです。そのためアメリカがとった手段は、自国の兵士を原爆実験の敷地内に配置して故意に被爆させるというものでした。

 1989年に制作された「ナイトブレーカー」(アメリカ)はこの核開発に狂奔した時代に、命じられるままに任務として被爆した兵士達、いわゆる”アトミックソルジャー”と呼ばれた人たちの物語です。

 物語は、主人公のブラウン博士に会いに来た車椅子の男が、30年前に自分達が体験したことを一緒にいたあなたから公表して欲しいといわれたところから始まります。ブラウン博士は知らないと拒否しますが…。1956年、当時ネバダの原爆実験場で調査班の一員として働いていた博士。彼は調査対象の兵士達と打ち解けるようになり、自らも実験を体験するようになります。しかし、上司やそこで知りあった原子力委員会のサリーという女性の言葉から、進めている調査の意味に疑問を覚えるようになります。何より、兵士達の安全が守られていないこと、というより、わざと危険な状況に置かれていることを理解していくのです。

 主演は現在のブラウン博士をマーティン・シーンが、若い時代をエミリオ・エステベスという親子コンビが演じています。社会活動に熱心なマーティン・シーンらしく制作総指揮を兼ねており、そのテーマ性からかエミー賞を受賞しました。ヒロインのサリーを演じるのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年/アメリカ)のリー・トンプソンです。

 この作品は、やはり当時という時代を色濃く映し出していることが一番印象的です。当時の核実験はみんなが集まるお祭りみたいなもので、人々にとって明るいイメージを与えるものでした。それは実験に立ち会わされる兵士達も同じで、そこには古き良きアメリカが垣間見えます。しかしその裏では、放射線の正しい知識を兵士達に教えないまま実験に参加させ、その後どんどん実験の危険度をあげていくというようなことがなされていくのです。例えば、塹壕で衝撃破をかわさせた後、爆心地まで歩かせたり(ブラウン博士が近くにいながら動かない士官に一緒に行かないのかと尋ねると「バカいえ」と拒否されていた)、最後には、塹壕がないにもかかわらず嘘をついて、しかも今までより相当近い場所まで移動させ、遮蔽物のないところで被爆させるなど、信じられないものです。

 直接のストーリーの他に印象に残るのは、今までドキュメンタリー等で観ていた、ある種衝撃的な実験時の映像、建物や家具が吹き飛び、生きている豚が焼かれていくというものに対して、それを準備する細かい様子などが描かれていた部分でした。その様子がちょっと微笑ましく描かれている分皮肉なものと受け取りながら、そこに当たり前に人がいたんだということ、あくまで現実の延長線上なんだということをあらためて感じました。ちなみに、少し前に公開された「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」(09年/アメリカ)では、この実験場の建物に迷い込んだインディが被爆するシーンがありました。その後、ブラシで身体を洗われたあと、平気な様子で冒険を続けていて、けっこうな違和感を感じました。多分、その時代のアメリカを表す代表的な出来事だという以外の他意はないとは思うのですが。

 随分と昔、確かNHKでアトミックソルジャーを扱った番組を見たことがありました。その中でインタビューを受けていた元兵士は、片方の手のひらと太ももが信じられないくらい大きさ具体的には普通の倍以上に肥大化していて、皮膚は裂け、肉がはみ出しているような状態でした。子供の頃に観ただけなのに、今もって忘れる事ができません。

 アメリカが広島と長崎への原爆投下に対する正当性を問われるとき、”もし上陸作戦をしていたら大勢の同胞の命が失われた。それを防ぐために原爆投下は正しい判断だった”という論拠を今に至るも覆しません。そしてそれを多くのアメリカ人も信じています。

 では、その守るべき同胞たちを実験のために刈り出し、データをとるためだけに被爆させ、その後彼らの多くを後遺症で苦しませた、その正当性はいったいどこにあるのでしょうか。

 

 いろいろ書きましたが、正直言いますと「ナイトブレーカー」を当時観たきっかけは特に問題意識を持ったからではなく、個人的にマーティン・シーンという俳優が好きだったからです。ということで次回は俳優として活躍するマーティン・シーンとその一家について書こうと思います。

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ぬいぐるみと少女

●SCENE-011「デイ・ワン 最終兵器の覚醒」

●SCENE-012「ナイトブレーカー」

●SCENE-013「シーン一家のお仕事 その1」

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●SCENE-017「レザボア・ドッグス」

●SCENE-018「キル・ビル Vol.1&2」

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●SCENE-020「柳生一族の陰謀」

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