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タイトルバック 2011.03.26 タイトルバック
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 パルプ・フィクション=質の悪い紙に印刷された扇情的な内容の出版物、という冒頭のテロップ。これからあなたが観るものは、つまりはこの程度の内容なのだよと宣言しているようにも思えるこの映画。監督のクエンティン・タランティーノはこんなものも好きだったんだなとスクリーンの前で納得しながら観たのが今回書く「パルプ・フィクション」(94年/アメリカ)です。

 ストーリーは、コーヒーショップにいるカップルが強盗をする話と、マフィアのボスであるマーセルスの手下のジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)とビンセント(ジョン・トラボルタ)の二人が騙しとられたスーツケースを取り返しに行き、そこから起こるごたごたの話、引退間近のボクサーのブッチ(ブルース・ウイルス)がマーセルスから八百長を持ちかけられ承諾するも裏切る話、などがそれぞれ大まかなストーリーで解体された挙句、時間軸もバラバラに再構成された物語。オープニングのシーンとラストシーンが同じ時間軸だったりと単純にストーリーを追えない、随分と分かりづらいような映画になっていましたが、それでも当時はこれが映画としてのアイディアなのだなと関心したのを思い出します。それぞれの時間軸をつなげるためのボタンとボタン穴のような役割を示すカットやシーンを各エピソードにしっかり配置しているので、それほど迷うこともないですし。

 でも、やはりこの映画の面白さはストーリーに直接関係のないような一見無意味でやっぱり無意味な台詞と細かい状況描写です。昔、友達がこの映画を「ディテールを楽しむ映画」といっていましたが、まさにそのとおりで、ストーリーを差し置いて圧倒的な量が降り注ぐ台詞やアイテムの情報を楽しめなければ、これはただの増長な映画としか観られないのではないかと思います。最初のジュールとビンセントの”マーセルスの妻の足をマッサージしたらビルの4階から突き落とされた男”の話を、納得できるか出来ないかで延々続ける会話。これは単にこの後ビンセントがマーセルスの妻を遊びに連れて行くときの”下手なことしたらまずくない?”的なことを暗示しているだけだし、クリストファー・ウォーケンが出てきて子供の頃のブッチに死んだ父親の形見の時計を渡すときの延々とした話も、単にその時計はすごく大切なものなんだということを言っているだけ。でも、タランティーノにとってもこれが大事な事なんですよね。だからこの映画、舞台とか場所とかを描写するシーンが極端に少ない気がするんです。よくある町の全景だとか、ロングからよっていくカットとかほとんどない。そんなものなど別にいらないと言わんばかりにカットが変わり目がいきなり人物のアップとかバストショットとかの画がすごく目につくのです。でもこういった描写も、これまでの”いかに上手に状況を説明し、台詞を配置し、ストーリーを効率よくまとめ上げるか”を腐心している他の映画とは対極的で、それが格好良く思えたんです。

 もちろん映像としても印象的なシーンはいくつもあって、それはブルース・ウィルスが日本刀を持って相手をたたっ切るシーンだったり、ラストの強盗犯のティム・ロスとその恋人とサミュエル・L・ジャクソンの銃の威嚇の三つ巴、その場でのピリピリした緊張感あるシーンだったり。これなどタランティーノの独壇場だと思います。

 ジョン・トラボルタを主役の一人に起用したそのキャスティングにも当時驚かされました。ジョン・トラボルタといえば「サタデー・ナイト・フィーバー」(77年/アメリカ)のイメージしかなく、その後それっぽい映画で出ていた後はほとんど顔を見ることもなく、すっかり過去の人でしたから。でもその後のハリウッドでの再ブレイクは更なる驚きでした。(タランティーノとしては彼がこよなく愛する昔の映画のヒーローキャスティングしただけで、これ1本で終わりかと思っていたものですから。事実、監督3作目の「ジャッキー・ブラウン」(97年/アメリカ)で同じように主演に抜擢されたパム・グリアですが、その後目立った活躍をすることはありませんでしたし。)

 そして最大の驚きは、この映画がカンヌ映画祭のグランプリに選ばれたことです。カンヌ映画祭はアカデミー賞とは違うちょっとひねくれたイメージは確かにあったのですが、まさかパルムドールとは。たしかグランプリをとった時点で映画はまだ公開前でしたので、”まさか”と思ったのは本当に失礼な話なのですが、なにせタランティーノの映画ですから。これまで1本しか見ていなかったとはいえ、その映画とマスコミに登場したタランティーノのキャラクターとその偏執さはそれほどまでに独特でした。

 そして、そのカンヌの評価があったからなのか、アカデミー賞にも合計7部門もノミネートされてしまって…。もしかするとこちらのほうがもっと驚きだったのかもしれません。結局受賞したのは脚本賞のみでしたが、その受賞のスピーチでタランティーノは「多分賞を獲れるとしたらこれだけだと思っていた」というようなことを言っていました。それは、これだけでも嬉しいと謙遜していたのか、これだけしかもらえないのかとひねていたのか…どちらにしてもいかにもタランティーノらしく感じました。

 

 一気にメジャー監督に上り詰めたクエンティン・タランティーノ監督。でもやっぱり彼の映画の第1作はインパクトが大きかった。ということで、次回は「レザボア・ドックス」です。

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