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タイトルバック 主演はサミュエル・L・ジャクソンの方です タイトルバック
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タイトルバック 交渉人 タイトルバック
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タイトルバック 2011.03.21 タイトルバック
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 サミュエル・L・ジャクソンは本当にその出演作の数が多い俳優です。全体的には脇役の方が多いようですが、もちろん主演作も多く、声だけの出演などもあり、しかもそのほとんどで存在感を感じさせてくれます。そんな、作品群の主演作の中で一番好きな映画が、今回の「交渉人」(98年/アメリカ)です。

 シカゴ警察東分署の人質交渉人のエース、ローマンが主人公のこの映画。彼はあるとき相棒のネイサンから200万ドルの障害基金が警察内部で横領されている事実を聞かされます。しかしその直後ネイサンは何者かに殺され、その殺人の容疑と横領の罪がローマンに着せられてしまう。身の潔白を晴らそうと、事情を知る可能性のあった内務調査局のニーハウムに会いにいきますが全く取り合ってもらえず、焦りと怒りから彼はニーハウムとそこにいた数人の人間を人質に取り、ビルに立てこもってしまうのです。あっという間に警察に包囲されるローマン。しかし警察のやり方を熟知しているローマンは、次々と先手を打っていきます。交渉においてもローマンに歯が立たず二の足を踏む警察。そのローマンが自分との交渉役として指名したのは、西分署のNo1交渉人であるセイビアンでした。

 交渉人対交渉人、この常人には計り知れない、いかにもプロフェッショナルという人種同士の高度な駆け引きを想像させるストーリーは、当時否が応にも期待させられました。「ローデット・ウエポン1」以来好きになり、その後色々な映画でお目にかかったサミュエル・L・ジャクソンが主演となればなおさらです。(セイビアンを演じるのは、その前後で2度のアカデミー賞を受賞するケビン・スペーシー)結構な期待をもって劇場に足を運んだのを覚えています。

 結果、予想に違わず面白かった。ヒーロー的な存在の警察官から一転して犯罪者として扱われる主人公。元の仲間として非情になれない同僚たちもいる中で、徹底してローマンを殺して事件を治めようという行動に終始する警察上層部。仲間の中に犯人がいることから、誰にも助けを受けられない切羽詰った状況で、ローマンが頼ったのが、ほとんど面識のない他人のセイビアンという皮肉さ。こんな状況が籠城事件の中で繰り広げられるのです。

 特にセイビアンが呼ばれたあとのローマンとの丁々発止のやり取りは、派手な銃撃戦なんかよりもよっぽと緊張感があって興奮します。例えばセイビアンが、立てこもっているローマンからの電話を「今忙しい」といって乱暴に切り、そのまま腕組みをして待つことしばし、かけ直してきたローマンの再度の電話を、しかし今度は出ることさえせずまた乱暴に切ってしまうというシーン。どういう理由でそうするのか見ているこちらは理解できないけれど(劇中のほかの警察官も)きっと専門家としての根拠と考えがあるであろうことを伺わせて、こういうシーンに対して、強烈に”プロフェッショナル”というものを感じてしまうのです。

 その二人の関係はこの特殊な状況の中、明確化してきます。犯人にされ、仲間であったはずの同僚から命を狙われるなか、自分の無実の証拠と相棒を殺した犯人を捜すローマン。事情がわからず、積極的な協力も受けられず、しかしながら一種不穏な空気の対策本部では誰も信用出来ない中”誰も殺さない”という信念で行動し続けるセイビアン。彼らが交渉のやり取りの中で、次第にお互いの人格や考えを理解していく様になるのです。

 終盤、ニーハウムのパソコンのデータから、横領犯が浮かび上がるのですが、証人になるはずだったニーハウムは警察の突入班によって射殺されます。結局、横領犯の元締めはいまだ分らないまま。その中で指揮を降ろされたセイビアンがとった行動は、ローマンを逃がして無実の証拠を得るためのチャンスを与えるというものでした。

 このような規定外の行動をセイビアンがとるまでに到ったのは、これまでのやり取りからローマンをある程度信じられると思ったからなのですが、それは仲間意識や友情などといった、ある種共通体験や意識から来るような信頼関係ではなく、数々のやり取りや行動を理論的に理解したうえで導きだされたプロとしての信用関係。彼はプロだからこそ相手のプロの意識と能力を信じたのです。この映画は本当に二人を徹底したプロフェッショナルとして描いていくのです。

 ちなみにサミュエル・L・ジャクソンとは関係の浅くないエディ・マーフィーが、そのちょっと前にずばり「ネゴシエーター」(97年)という映画に主演していました。この映画の交渉人という役柄は、エディ・マーフィーのキャラクターにあっているかのようにも思えたのですが、そもそも彼が演じる役柄は昔から総じて口先三寸で相手を丸め込むのが得意なキャラクターですから、刑事を演じるとどれも「ビバリーヒルズ・コップ」(84年/アメリカ)の廉価版のように見えてしまい、冒頭のシーン以外、”交渉人”という特殊性の全く見えない普通の刑事アクションになっていた記憶があります。

 

 次回はサミュエル・L・ジャクソンをもう1本。彼が注目を浴びるきっかけになった1本、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」について書きたいと思います。

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