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タイトルバック 萬屋錦之介の迫力に脱帽の大型時代劇 タイトルバック
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タイトルバック 「柳生一族の陰謀」 タイトルバック
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タイトルバック 2011.04.23 タイトルバック
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 服部半蔵とともに千葉真一の当たり役として有名な時代劇のヒーローといえば、柳生十兵衛。その後「柳生あばれ旅」などでイメージが定着する柳生十兵衛を初めて演じたのが確か「柳生一族の陰謀」(78年)でした。というわけで、今回は千葉真一が柳生十兵衛を演じた主演映画「柳生一族の陰謀」と「魔界転生」(81年)について書きたいと思います。

 まずは『柳生一族の陰謀」。徳川二代将軍秀忠の急死により、三代将軍の座を巡る二人の息子の間での後継ぎ争いが勃発。醜悪な容姿と吃音症で周りから疎まれていた長男家光と、容姿端麗、明朗快活にして正義漢の次男忠長。秀忠の急逝が次期将軍を忠長に決めようとした矢先だったため、毒殺の疑いをもった忠長の後見人土井大炊頭が配下に探らせるも、証拠となる秀忠の胃袋を奪ったのは柳生但馬守宗矩の子息達。但馬守はそれを証拠に家光の後見人である松平伊豆守と春日局に秀忠謀殺を認めさせ、その上で家光の剣術指南役として自らもこの陰謀に加担する。そして事の詳細を家光へ打ち明け、家光もまた血塗られた道と知りながら全てを受け入れ彼らとともに三代将軍になることを決意するのです。しかし、忠長は家光が父親の死に関与していることを確信すると、自ら三代将軍の座を奪うために、兄家光と対決することになっていきます。

 最初に観たのは随分と昔でいつか覚えていませんが、キャストの面々からアクション大作だと思って観たのに、アクションシーンがそれほど多くなく違和感を感じたことを覚えています。改めてきちんと観たのは確か大学時代。そのとき初めて、これは壮絶な権力闘争に明け暮れる権力志向者たちの政治劇なんだと思い至りました。全編これ謀略に次ぐ謀略。繰り返される暗殺。そして裏切り。全てを統べる権力を持つために非情に徹しあらゆるものに優先させることを決意してしまった人間に、一切の躊躇はありません。まさに時代劇なればこその文字通り血で血を洗う抗争劇が繰り広げられるのです。そこでは歴史に名を残す有名すぎる剣豪の柳生十兵衛でさえ、謀略を成功させるためのひとつの駒でしかありませんでした。

 そんなこの映画で終始感じるのが、柳生但馬守宗矩を演じる萬屋錦之介の圧倒的存在感。冷静沈着、冷徹非情。時勢を感じ、先を読み、どんな状況においてもその表情は崩さずに全力をもって事にあたる。三船敏郎演じる尾張大納言から秀忠暗殺について詰問されたときさえも弱みなど見せません。だから、千葉真一演じる柳生十兵衛が玄信斎との戦いで隻眼になるシーンや烏丸少将との対決シーンなどそれなりに格好いいシーンがあっても、但馬守が大奥で襲われた家光の前に立ちふさがり、賊を一刀の下に伏す場面や、玄信斎を一瞬で倒す場面などのインパクトにはかないません。映画自体、拡がりを持った画面で大作時代劇という冠は疑わないのですが、但馬守が登場する場面になると画面の緊張感が増すというか格調がひとつ上がるようなそんな雰囲気を感じてしまうのです。

 だからこそ、この映画の有名なラストは萬屋錦之介の独壇場。父親の但馬守に裏切られた十兵衛が家光を殺し、その切り落とした首を但馬守に投げつける。あれほどに動じなかった但馬守の表情が動揺と怒りでみるみる崩れる。十兵衛を切りつけるも逆に腕を切り落とされる但馬守。静かに立ち去る十兵衛。片腕で家光の首を抱き、愛しげに頬を摺り寄せつぶやく。「馬鹿な、こんな馬鹿な事が…。これは夢だ…。」惨状を目撃し騒乱の城内。それに対し但馬守の一喝。「各々方、お騒ぎあるな!何事もない!何事もおこってはおらぬ!これは夢でござる!」全てをかけて手に入れたものを一瞬で失った但馬守。彼が正気を失い城内をのたうちまわる様子は、まるで歌舞伎を見ているような様式美の中での圧倒的な迫力を感じさせ、いままで凄いといってきた彼の場面たちさえもあっという間に霞ませてしまうほどの強烈な印象を残すのです。

 ちなみに最近2時間TVドラマとしてリメイクされた「柳生一族の陰謀」では、但馬守を映画で家光役だった松方弘樹が演じていました。演技力もイメージもキャリアも貫禄も十分。なのに、ラストシーンでみる但馬守のインパクトは映画のそれに対して遠く及びませんでした。それほどまでに強烈な映画のラストシーンだったと思います。(但し、これは多分に演出のせいもあるとは思いますが。はっきりいって理解しがたい演出でしたから)

 正直いいますとこの映画、そのあまりにも強烈なラストシーンのため見終わってしばらく経つと他の場面の印象は限りなく薄くなり、自分にとって結局このラストシーンのみの印象だけの映画になってしまっているのが分かってしまいました。今回も結局細かい部分は思い出せず、改めて見直す結果となりました。ただ、ラストシーンの台詞まわりにも若干の記憶の齟齬があるようで…。どうも「金田一耕介の冒険」のパロディ場面と混同していた部分があったようです。しかし、このようにいろいろなところに引用される事からも解るように、見ていた側に与えた印象は大きかったということだと思いました

 

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